GREEN EXPO 2027でのプロトタイプの実装を目指す。雨の日にも行きたくなる公園™︎を考えるワークショップ レポート

2026年5月28日、株式会社日建設計が運営する共創プラットフォーム「PYNT(ピント)」でワークショップ「雨と人との新しい関わり方と、その過ごし方」が開催され、FICCプロデューサー・伊藤 真愛美が登壇しました。同ワークショップは、FICCとモーンガータが手掛けるプロジェクト『雨の日にも行きたくなる公園™︎』の一環としての取り組みです。日建設計の社員のみならず、建築や不動産、インフラ、メディア、大学・研究機関、大学生など、さまざまな分野の参加者が集ったワークショップからは、どのようなアイデアが描かれたのでしょうか。熱気あふれる共創の現場を振り返ります。

※「雨の日にも行きたくなる公園™」は、FICCと株式会社モーンガータによる名称であり、現在商標出願中です。

伊藤 真愛美伊藤 真愛美 / FICC

FICC プロデューサー 兼 COLOR Again 責任者。クライアントの課題に対してプランニングや進行を行い、資源の再解釈による新規価値提案につなげることを強みとする。2020年にモーンガータの田中氏とCOLOR Againプロジェクトを立ち上げ、2024年『雨の日にも行きたくなる公園™︎』を発案。

祖父江 一宏祖父江 一宏 / 日建設計

企画開発部門 コモンズグループ兼イノベーションデザインセンター アソシエイト。用途を問わず、場の運用を見据えた場づくりの企画・構想、ハード・ソフトのデザインを行う。様々な人の声や思いを集めながら、アクティビティや場をつなぐ、関係性のデザインに取り組む。

土肥 真梨子土肥 真梨子 / 日建設計総合研究所

日建設計総合研究所 主任研究員。日建設計の共創プラットフォーム「PYNT」の運営に携わる。都市・環境分野において、市民や関係者を巻き込む合意形成プロセスにおけるワークショップの企画・運営から、まちでの実証実験の効果計測やビジュアライゼーションまで各地での実践に取り組む。

共創プラットフォーム「PYNT」の「民主的緑化」プロジェクトとは?

祖父江:まずは今日の会場である、日建設計のPYNTについてご説明します。弊社は建築と都市設計の会社ですが、設計だけでは都市の問題をなかなか解決できないという意識があります。そこで社外のさまざまな方と一緒に考えていこうと、3年前に共創プラットフォームのPYNTが立ち上がりました。今回は日建設計から私と土肥の2名が参加しています。
 
PYNTでのプロジェクトは、共創の6ステップによって進めています。本日は3つ目の「FOCUS:議論を深める」ステップとして、雨の日の公園での過ごし方について、みなさんと発想を広げながら考えを深められたらと考えています。

PYNTの共創の6ステップ https://www.nikken.jp/ja/about/pynt.html より

PYNTでは、さまざまな社会課題に向き合うプロジェクトが立ち上がっています。僕たちの取組みのひとつとして「民主的緑化」というプロジェクトがありますが、これがのちに紹介するCOLOR Againの『雨の日にも行きたくなる公園™︎』の活動にフィットするんじゃないかと考え、共創を始めています。

「民主的緑化」プロジェクトは、公共の緑を誰がつくり誰がメンテナンスしているのかという、ルールや背景、ステークホルダーを整理し研究をしています。東京には美しい公園がたくさんありますが「もう少し自分らしく主体的になれる公園って何だろう」といった観点から都市緑化を考えています。今日は幅広い視点で「公共空間としての自然と人との関わり」を考えてみることも、ヒントになるかもしれません。

年間の1/3は雨。憂鬱な天気を「地域のポテンシャル」へ変える逆転の発想

FICC 伊藤:『雨の日にも行きたくなる公園™︎』はFICCとモーンガータとの取り組みである「COLOR Again」で構想しているプロジェクトです。私が所属しているFICCはブランドマーケティングの会社で、ブランドの価値が市場創造につながる支援をしています。モーンガータは「SminkArt(スミンクアート)」というプロダクトを開発しています。役目を終えた化粧品が色材に変わる技術を通じながら、建材やインクなど生活におけるさまざまな彩りの新しい価値と可能性を作られています。COLOR Againは、一人ひとりの感性を見つめ直し、今までの常識に囚われずに人とモノとの新たな関係性を見出し、社会実装によって新たな社会を作りたいという想いを持っています。

『雨の日にも行きたくなる公園™︎』の発想のきっかけは、私の地元・新潟市にあるショッピングモールの駐車場が有料化されるというニュースでした。雨の日や週末にはいつも満車になるほど多くの人で賑わう場所ですが、その人の流れをショッピングモールだけではなく、自然豊かな近くの公園へもっと人が集まるような仕組みを作ることはできないだろうかと考えました。

また、新潟は全国でも非常に雨の多い地域ですが、世界的にみても日本は雨量が多い国です。一般的に雨の日には公園には行かないものですが、もしも「雨の日にも行きたくなる公園」があったとしたら、そこではどんな体験が生まれるのか。そんな問いをみなさんと一緒に考えていけたらと思っています。

どんな天気にでも見どころがある「景観体験の平準化」

FICC 伊藤:昨年、日建設計の皆さんにご協力いただき、ランドスケープや環境デザインを専門とする方々を交えてワークショップを行いました。ゲストとして景観工学の専門家である小林 享先生をお招きし、お話を伺いました。

その中で小林先生から「景観体験の平準化(どんな天候でも見どころがある)」という考え方をご紹介いただきました。晴れの日だけでなく、雨の日や雪の日でも、見どころがあるんですね。また「雨見(あめみ)」という、「美しい雨を眺めること、雨を美しく眺めること」を意味する言葉も教えていただきました。雨を見るには楽しむ心の余裕も大切なのだそうです。その後、日建設計総合研究所の方からの紹介で、日本都市計画学会の学会誌『雨は都市の味方にできるか?』の特集にも携わりました。そこでは環境や設計の話だけではなく、文化や芸術、歴史、生活、デザイン、まちづくりなど、多角的な視点から記事が展開されています。私も人々の雨に対する認識の変容の視点から『雨の日にも行きたくなる公園™︎』をテーマに寄稿しました。

日本都市計画学会 学会誌「都市計画 379号」にメンバー伊藤が寄稿
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また、2027年3月から9月にかけて横浜で開催される「GREEN EXPO(国際園芸博覧会)」は梅雨の時期とも重なるため、主催の方々も雨への対策について課題を捉えられているようです。そこで、私たちのアイデアをプロトタイプとして形にできないかと考えています。

祖父江:GREEN EXPO 2027だけでなく、弊社が関わる様々な公共空間でプロトタイプを設置できる可能性もあると思っています。今日は単なる空想に留まらず、実現も見据えたアイデアが出てくると、より有意義な議論になりそうですね。

FICC 伊藤:そうですね。私たちCOLOR Againとしては、経済的価値だけでなく社会的価値や文化的な要素も同様に大切にしたいと考えています。例えば「長くここにいたい」と感じられる環境や、「何度も訪れたくなる」と思える場所、そんな感性的な視点からアイデアが生まれると嬉しいです。

分野を超えて「理想の雨の楽しみ方」を描くワークショップ

今回のワークショップは、COLOR Againが設計し、最初にアイスブレイクとして、参加者それぞれが「記憶に残っている雨の日のエピソード」をシートに記入し、自分の中にある雨に関するエピソードを表出させるところから始まりました。

その後「味覚としての雨」「作者としての雨」「懺悔としての雨」など、さまざまなキーワードが書かれたカードを引いてもらい、それぞれのテーマに対して4つの問いに向き合いました。どのような問いかというと、例えば「訪れた公園に、カードに書かれたような雨が降っていたとしたら『この場所に来てよかった』と感じているあなたは、どんな気持ちや状態になっている?」「その体験はあなたにとって、どんな意味があった?」といった感じで、参加者の固定観念を取り払い、普段忘れていた感性や記憶を思い出すきっかけになるよう工夫しました。

その後、参加者は3人1組のチームに分かれ、それぞれ回答を共有しながら、体験のアイデアやプロトタイプの方向性を議論しました。ここからは、それぞれのチームで生まれたアイデアをご紹介します。

アイデア1. 雨粒・カフェ・泥遊び ─ 三層構造で五感を刺激する立体テーマパーク

参加者1:私たちのグループでは、それぞれのテーマを一つに絞るのではなく、すべてを「共存」させる立体的な空間をつくれないか、という発想で議論しました。

まず一人目は「再生としての雨」です。雨水が地面に浸透して再生するという意味だけではなく、土に水が含まれることで「泥遊び」ができ、泥に触れることで、大人も回復できる、ストレスからの再生を促すというアプローチを考えました。

二人目は「味覚としての雨」。雨をコップに集めて飲んでみたり、その水でジュースやコーヒーを淹れてみるような、容器に入れた水としての雨を味わう楽しみ方です。

そして三人目は「作者としての雨」。もし雨自身が物語の作者だったとしたら、という視点です。雨が空から地面に落ちていく間に、水滴同士がぶつかり合ったり、美しい粒状となって存在している。その現象自体を、空の中にある水として捉えました。

この「粒状の雨」「容器に溜まる雨」「土に染み込む雨」という三つの状態を同時に体験できる空間として、私たちは「三層の輪っか」からなる建築構造を考えました。最上層では美しい粒状の雨の動きを間近で眺めることができ、真ん中の層ではコップで雨水を集めて飲んだりカフェを楽しんだりできる。そして最下層では、集まった水が土を潤し、大人も子どもも泥まみれになって遊ぶことができる。そういった五感で楽しめる立体的な空間をイメージしました。

FICC 伊藤:まるで雨のテーマパークのようで、スケール感もあっておもしろいアイデアですね。いくつかユニークな名前が書かれていますが、どんな公園名が挙がりましたか?

参加者1:「泥まみれレインボー」「マスタードステージガーデン」「眠れる庭」「レイニーカフェ」「美味しい公園」といった名前が挙がりました。

FICC 伊藤:「泥まみれレインボー」 いいですね!どれも非常にキャッチーで想像が膨らみますね。

アイデア2. 普段公園に行かない人たちの逆転クエスチョン ─ 豪雨を眺め、畳の上で靴下を乾かす

参加者1:私たちのグループは「粋(いき)」「懺悔」「集中」という三つのキーワードをもとに考えました。

まず「懺悔」は過去の失敗などを雨で「洗い流す」という行為を公園の機能に落とし込むアプローチです。「集中」は「台風」や「集中豪雨」などの激しく降る圧倒的な自然の力に着目しました。そして「粋」は、江戸の浮世絵や落語に出てくるような、雨をどこか風流に楽しむ小気味よさです。

参加者2:これらを掛け合わせて考えてみたところ、共通しているのは「非日常の体験」だと思いました。実は私たち3人とも、普段はほとんど公園に行かないんです(笑)。そんな公園に行かない私たちが「雨の日に公園へ行く理由」を本気で考えた結果、それならば「雨の日にしか行けない公園にすればいい」という発想に辿り着きました。

例えば、雨が降ったら「よし、懺悔しに公園へ行こう」と思ったり、本降りの雨の時に「あの景色を見に公園に行こう」となったり。

具体的には、椅子に座って静かに佇む場所の前に、激しい雨粒が打ち付けるガラスでできた大きな斜めの壁がそびえ立っています。ガラスに激しく当たって流れていく水の膜を、ただじっと見つめて佇む。自分自身を洗い流すような感覚で雨と向き合う静かな空間をイメージしました。「洗う」という行為をキーワードに、アイデア全体をまとめてみました。

FICC 伊藤:普段公園に行かない人たちが「雨の日にしか行かない公園」に対して真剣に向き合うというアプローチが、最高にユニークですね。シートに書いてある「さっぱりリラックス」という言葉も気になります。

参加者1:僕は「雨で靴や靴下が濡れて気持ち悪い」という話をしていたんです。それなら逆転の発想で、「靴下を乾かしに行く場所」が公園の中にあってもいいんじゃないかと思いました。例えば、公園の中に居心地の良い畳のスペースがあって、みんなで靴を脱いで上がる。そこには強力な乾燥機や温風機が備え付けられていて、濡れた靴下を乾かしながら、みんながさっぱりとリラックスできる。

FICC 伊藤:なるほど、街の中の「寄り道」的なシェルター機能ですね。

参加者1:それも一種の非日常かなと。他のチームで出ていた温泉や風呂のアイデアにも通じる、雨の日の「地域の寄り合い所」みたいなイメージです。

アイデア3. 雨宿りが距離を縮める ─ 美味しい雨と遊び場としての雨

参加者1:私たちの班は「メディアとしての雨」「味覚としての雨」「作者としての雨」という三つのアプローチから考えました。

まず「メディアとしての雨」です。もともと喧嘩をして気まずい空気になっていた二人の間に雨が降ることで、雨宿りという共通の目的が生まれ、物理的にも心理的にも二人の距離がグッと近くなり、雨が媒介(メディア)となって関係性が修復されていく、というストーリーです。

次の「味覚としての雨」では、「美味しい雨」をイメージしました。子どもの頃にツツジの蜜を吸ったり雪を食べたりした時のように、自然の美味しさを純粋に味わうアクティビティです。無料で自然の恵みを享受できる一方で、汚い、危ないという現実的な懸念をクリアするために「集めた雨水を自動でろ過して、安全に美味しく飲める仕組み」を取り入れることにしました。

そして「作者としての雨」は、少し離れたところから、水たまりで無邪気に遊ぶ大人や子どもを観察する視点を考えました。小説や映画の中では、雨は主人公の憂鬱な気分を表すマイナスな心情描写として描かれることが多いですが、ここでは逆に「雨だからこそ楽しそう」というプラスの描写として描けるのではないか、という作者のポジティブな気づきを空間に反映しました。

これらを組み合わせた具体的なイメージがこちらです。水が集まって綺麗にろ過され、安全な雨水を飲める場所、さらにその下には綺麗な雨水が溜まる浅い水たまりがあって、子どもたちがバシャバシャ遊んだり、水たまりの周りに絵を描いて遊べるエリアがあります。その場所で喧嘩して雨宿りをした二人が、時を経てその公園を訪れ、ろ過された雨水と公園で育ったハーブを使ったハーブティーやアルコールを楽しみながら、「あの時はこうだったね」と思い出を語り合えるような場所をイメージしました。

視線をある程度隠して過ごせる2〜3人用の小さなカプセルのような空間が、公園の中にいくつか点在している構造を想定しています。

FICC 伊藤:ハーブティーやアルコールが楽しめる大人の空間と、子供の水たまり遊びが同居する、非常に具体的で絶妙なサイズ感ですね。この空間の大きさを決める時、チーム内ではどんな会話がありましたか?

参加者1:喧嘩した2人がちょうど入れるくらいの絶妙なサイズ感にしよう、という話で盛り上がりました。あまり広すぎると離れて座れてしまうので、自然と距離が近くなる適度な広さを意識しました。

FICC 伊藤:なるほど。広すぎないからこそ、雨音が周囲の雑音を包み込んで、二人の会話だけの世界に没頭できるわけですね。

参加者1:そうなんです。雨音によって外界から閉ざされることで、まるで秘密の場所に隠れているかのような特別な安心感が生まれるという効果を狙いました。

FICC 伊藤:素晴らしいディテールです。ハーブの活用も含めて、すぐにでもプロトタイプが作れそうな説得力がありますね。

そのほかにもさまざまな「雨」や感性にまつわるアイデアがたくさん生まれました。

感覚の「狭まり」が生む心地よさ ─ 雨によって生まれる心地良い空間 / 過度な干渉をされすぎない空間 ─ 大人も子どもも包み込む東屋の価値 / ずぶ濡れの先にある心身の解放 ─ 公園全体が巨大な「銭湯」になる / 霧がもたらす「心地よい匿名性」 ─ 自然と緩やかに出会う空間

グラフィックに現れた美意識と、言葉の奥に潜む空間

各チームの発表が終了したのち、会場ではワークショップ中にリアルタイムで描かれた大きなグラフィックレコーディングをもとに、セッションが行われました。

各チームの発表から、ライブで描いたグラフィックレコーディング

祖父江:皆さんの発表を聞きながら、そこで想像されるストーリーや空間のイメージを、土肥さんと一枚の絵にまとめてみました。非常に象徴的だった「三層構造」のアイデアや、雨水をろ過して飲む「味覚の体験」、そして「雨のカーテン」や「響き合う音」といったキーワードが、大きな公園のグラフィックとして表現されています。

特に印象的だったのは「懺悔」や「一人になれる空間」という視点です。絵ではワイワイ盛り上がっているように見えますが、実際には「一人で静かに霧の中を歩く」とか「雨音の静寂に身を委ねる」といった、日常と非日常を行き来するような、内省的な体験を多くの皆さんが想像されていたのがとても興味深いです。

FICC 伊藤:ワークショップが始まる前と今とで、想像もしていなかったような驚きはありましたか?

祖父江:そうですね、皆さんの中に「雨だからこそ行きたい」「雨だからこそ、その場所ならではの楽しみ方がある」という明確なストーリーが存在していたことです。雨を空間の主役として捉える感性がこれほど豊かに集まるとは思っていませんでした。

参加者:この青い部分がすべて「雨」を表していると思うのですが、やはり「濡れる」ということと、それを「乾かす」という行為がセットで提案されていたのが非常に新鮮でした。「雨の日=濡れて終わり」ではなく、濡れた後の心地よさまでをデザインするという、皆さんの感性の重なり合いが可視化されていますね。

FICC 伊藤:ちなみに、この絵に描かれた空間は「晴れの日」にはどんな使われ方をしているイメージですか?

FICC 伊藤:祖父江:本当は晴れの日の様子も描こうと思ったのですが、皆さんのアイデアの熱量に追いつかなくて雨の日だけで埋まってしまいました(笑)。でも、これだけ魅力的であれば、晴れの日でも間違いなく心地よく楽しめそうな気配を感じますよね。

土肥:何より、皆さんが「五感」や「感性」を大切にした体験をドローイングの中にたくさん刻み込んでくれました。「響き合う」という言葉もそうですが、人間の身体感覚に訴えかける空間は、天候に関わらず人を惹きつける力があります。

雨を避ける都市から、雨を楽しむ都市へ

ワークショップの参加者からは、次のような声をいただきました。

コンクリートジャングルに​いる​時の​雨と​自然の​中での​雨との​違いを​より​強く​再認識しました。​雨が降った時に自然に​近い​ところに​居ると、五感が​受動的にも​創発されて​身体性にも​働きかけが​されるんだなと感じました

「ネガティブ側に​ある​雨」と​いう​存在が、​むしろ​これからの​AIネイティブ時代に​必要な​「身体性を​呼び戻す​最も​身近な​自然なのではないか」と​感じました。​ 現状、​都市の​再自然化は​簡単ではないですが、​まずは​都市部の​公園を​都市化文脈から​自然化文脈、​それも​単なる​自然回帰ではなく、​最先端技術を​掛け合わせて​アップデートした​自然化​(コントロール対象ではなく、​自然の​流れを​利用した​空間化)に​シフトさせる​ことで​こそ、​雨の​日に​行きたくなる​公園であり、​身体性が​より​高まる​雨の​日に​行きたくなる​公園が​実現するのではと思いました

雨天時は、目的地間を直接移動することが多いように思いますが、商業施設や業務施設など目的地の近くに「雨の日にも行きたくなる公園™」があれば、回遊・滞留する人が増えるように思います。施設とデザイン・機能面で連携して靴を乾かす・体を温めるなどが出来れば、個人的には嬉しいです。 また、幼い頃から雨に触れることで、雨水についての学びや環境教育、子どもの遊び方の幅を広げることにも繋がりそうだと感じました

近年、都市では孤独・孤立、自然との断絶、地域らしさの希薄化など、これまでとは異なる課題が顕在化しています。その中で、私たちCOLOR Againは「雨」という身近な自然を見つめ直すことで、「人と人」「人と自然」「人と地域」との新しい関係性を育む公共空間を生み出せるのではないかと考え、その可能性を模索していきます。

もし、雨の日にも訪れたくなる場所が全国に少しずつ増えていったら。子どもたちは雨の中から新しい遊びを生み出し、大人は雨音に耳を傾けながら心を整え、地域ごとに異なる雨の風景が、その土地ならではの文化として育まれていくかもしれません。「雨を避ける都市」から、「雨を楽しむ都市」へ。その小さな価値観の転換が、日本の公共空間の新たな可能性につながると私たちは信じています。

GREEN EXPO 2027などの機会を通じて、『雨の日にも行きたくなる公園™』をプロトタイプとして実装し、その可能性を多くの方々とともに検証していきたいと考えています。完成した答えを展示するのではなく、多様な専門性や地域の知恵を持つ方々と共創しながら、新しい公共空間のあり方を育てていく「実験の場」にしたいと考えています。

『雨の日にも行きたくなる公園™』は、まだ完成していないプロジェクトです。今後も、日建設計PYNTにもご協力をいただき、具体的なプロトタイプ案や場所への実証実験なども進めていきたいと考えています。実現を目指すためにも、建築やランドスケープ、自治体、企業、アーティスト、研究者、市民など、多様な視点や知見が必要です。一つの空間やモノが、天候によって異なる価値や体験を生み出す。そんな新しい公共空間の可能性を、一緒に考えてくださる方々との出会いを楽しみにしています。

執筆:井上 倫子 撮影:鈴木 友(FICC)

『雨の日にも行きたくなる公園™︎』プロジェクトでは、新しい公共空間や体験の可能性を探求してくださる自治体や事業者の皆さまとの連携を広げていきたいと考えています。ご関心をお持ちの方や、「一緒に形にしてみたい」「実証実験やプロトタイプに取り組んでみたい」とお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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