未来にワクワクできるか?人の想いとブランドの強みを繋ぐマーケターが挑戦すること

今回インタビューしたのは、メディア・プロモーション事業部の高橋 洋平です。前職は自社メディア運営のマーケティング業務を経験し、2022年6月現在はマーケティングコンサルタントとしてクライアントとブランドが抱える課題に向き合っています。そんな彼にクライアントワークで直面した壁や、仕事のやりがいについて話を聞きました。

思い描いたマーケティング職へのギャップから理想を求め転職へ

元々、自身の「人生の充実」に対して最上志向が強く、長い時間を費やす仕事に対しても「想いを持てるもの」であった方が良いよねという人生観がありました。だからこそ、自分にとって可能性を感じ続けられるキャリア設計を求めるようになり、1つの指標として「組織や場所にとらわれない働き方がしたい」と考えるようになりました。そして、ビジネスは誰かの役に立って初めて成り立つことを考えた際に、あらゆる場面でポータブルスキルになるマーケティングに興味を持ちました。

前職では、働く日常の中にある「非効率な負」を解決するためのITソリューションを比較検討できるメディアを運営していました。僕は新卒でマーケティング職に就き、メディアの集客担当として広告運用やSEO施策などを約3年ほど経験しました。

当時、僕が思い描いていたマーケティングのイメージは、まだ興味を持てていないけど、広告コミュニケーションによって生活者の心が動いて、「この商品、いいな」と手にするというような態度変容を促すことでした。しかし、実際の業務内容では顧客ニーズが顕在化している層への注力が大きく、僕自身も未熟で潜在層にどういったコミュニケーションを行えば、態度変容するのかを考える土台の知識や経験すらない状況でした。そのため、施策を通してターゲットの心を動かしている実感も持てず、マーケティング支援を専門としている会社に入ってスキルを積みたいと思うようになりました。また、クライアントワークの経験が自分の人生における理想の働き方に繋がっていくと思い、外からマーケティング活動を支援する企業を希望をして、FICCに入社しました。

入社後に受けたトレーニングプログラムでは、実際の現場で活用するフレームワークのパーセプションフロー®・モデルを教わり、今まで自分が知らなかった考え方を知って、数年後に活用している姿をイメージしてワクワクしたのを今でも覚えています。

生活者を深く理解するきっかけとなったワークショップの狙い

2021年に携わっていた家電メーカーのプロジェクトでは、10〜20名の社員さんに向けてマーケティングナレッジを導入するためのワークショップを実施しました。担当商品の売上向上をミッションとする社員の方々に対して、ワークショップに取り組む意義を感じてもらい、慣れ親しみのない考え方への理解促進や業務での活用イメージを持ち帰ってもらうために、まずは自分の購買体験を通じて、生活者がどうして認識変容を起こすのかを実感してもらうことになりました。

「最近買った印象に残っている商品」を1つのテーマとして、その購入シーンから自分の置かれていた状況や心境を思い返していただくために「なぜその商品を選んだのか?」という問いに向き合ってもらいました。例えば、「コロナ禍になって、夫婦で何か楽しめる時間を増やしたかった。その時、たまたま見た『楽しそうにサイクリングする男女の広告』がきっかけで、きっとその自転車を選んだと思う」というように、実際の購買体験を遡って考えることで、自分が商品に興味を持ったキッカケに気づいてもらうことが目的でした。そのキッカケとなる見聞きした情報や考えていたことに購買動機が隠れていて、生活者の認識変容を促すヒントとなり、コミュニケーションを考えるにあたって向き合う必要があることなんだと気づいてもらえるようにワークショップを設計しました。

僕自身、何かを学ぶ時、最初の壁を突破するのに時間がかかるタイプなんです。背景を理解してさらに構造化して腹落ちさせることで、ようやく使いこなせる知識資源となります。例えば、入社当時に学んだパーセプションフロー®・モデルにしても、それが誰にとって何の役に立つのかを自分なりに理解しないことには使えるものにならないなと思ったんです。そんな経験から、なぜ学び、理解する必要があるのか、しっかり腹落ちさせないことにはワークショップに参加する意味がないと思っていました。だからこそ、伝える手段(言葉やビジュアル)もいかに分かりやすくできるか、細部へのこだわりを持ってワークショップを設計しました。

ワークショップ終了後に参加した社員の方々から、「いかにお客様の視点に立って考えることが重要か気付かされた」という感想をいただき、実施した甲斐があったと思えた瞬間でしたね。

現在は、医療系の企業とビジョンラダーを使ってブランド独自の資源を整理をし、それをもとにパーセプションフロー®・モデルを活用しながらブランドマーケティング戦略、コミュニケーション戦略の設計に携わってます。経営層からのヒアリングを通じて、ブランド戦略の整理・設計など上流から携わるチャレンジをしています。

クライアントがワクワクする未来を描けるかどうか

マーケティングとは「売れる必然をつくること」と言われていますが、FICCのブランドマーケティングは「持続的にビジネス拡大させる道筋・仕組みをクライアントと一緒に描くこと」だと思っています。だからこそ、クライアントワークをするなかでの難しさはあります。それは、企業にある生の情報をいかに引き出せるかです。

商品の機能だけの差別化が難しい今の時代、企業独自の強みが鍵となります。なかでも、企業が掲げるパーパスとそこで働く人の想いや行動がストーリーとして繋がっているかどうかが重要です。それがあるからこそ、似たような商品でも、生活者から見て好意的に映ったり、自分に合うものだと感じてもらえたりして、他のブランドとの差別化に繋がり、ブランドを選択し購買する理由になると思うんです。

そこで、市場の中で選ばれるブランドになるためには、ブランドマーケティング戦略やコミュニケーション戦略が必要になります。その準備段階として、クライアントとの対話を通して、企業独自の強みとなる「ブランドの今を形作る過去や未来」にまつわる話を引き出すことが重要になります。その企業ならではのエッセンスが含まれる過去の出来事や経験、未来の構想など、出来るだけ多く話してもらう必要があるんです。ただ、多忙なクライアントに過去を振り返ったり、未来と向き合ったりして答えてもらうのは、なかなか難しいことです。そこで、「なぜやるのか?」を実感していただくために、いかに信頼関係を築けるかを日々模索しています。

僕が重要だと思うのは、ちょっと先の未来にワクワク感を持っていただくこと。人は理想と現実のギャップに気づいた時、そこを埋めたいとモチベーションが掻き立てられるという心理から、理想像について一緒に解像度を高めていくことが重要だと思います。クライアントが前のめりになっていく姿を目の当たりにした時にはやりがいを感じるし、こちらも「想いを汲み取って戦略に昇華させたい」という、いい意味でのプレッシャーを感じながら取り組んでいます。

一方で、クライアントワークだからこその喜びもありました。入社して半年後、SNS施策のディレクションで関わっていた案件のブランドマネージャーから「FICCだから、安心してお任せできます」と直接メッセージをいただいたんです。進行管理で密にコミュニケーションを取ることが多かったので、信頼されているんだと実感できました。細かな相談事やいろんな話ができる関係性が築けたことが嬉しかったですね。

二つの領域から模索する今とこれから

今、僕は個人活動として学生のキャリア支援に取り組んでいます。より良い未来をつくるために今の課題を改善しようというマーケティング支援と同じで、どのような未来を描くのかという視点は、個人においても重要だと考えています。僕のなかでは根拠が重要で、いつも「なぜ?」が気になるんです。データって可視化して見えるものだから、点と点が線で繋がってスッキリ気持ちいい。同じように、人の想いも根拠となりえると思っています。「地方創生がやりたい」「市場価値の高い人間になりたい」と言う人もいるんですけど、「なぜ、そう思うようになったのか」を語らないことには、他者と同質化して、その人を採用するメリットがなくなってしまいます。だから、過去の人生をさかのぼって深ぼりして、その人独自の根拠を見つけたいと思うんです。フィールドは違えどマーケティングの考え方に繋がっている部分もあるので、2つの領域を行き来しながら、それぞれで得た学びを実践に活かしています。

今後は、ブランドをリードしていくために、知識を血肉に変えて、いつでもスムーズに引き出せるようになりたいと思っています。少し前にコーチングの資格を取ったんですけど、その延長線上で探求の一環として心理学のNLP(​​Neuro Linguistic Programing・神経言語プログラミング)を学んでいます。そこで得た知識をクライアントとの対話やマーケティングにおけるターゲットの理解やコミュニケーション設計の手法へと応用できたらと考えています。

みんな人生の大半は仕事をしていて、働くことはその人に大きく影響を及ぼすもの。だからこそ仕事に対して何かしらの想い入れが持てると、さらに良い毎日を過ごすことができるんじゃないかなと思うんです。僕にとって、働くことは妥協したくないもの。これからも「働く」に向き合い、こだわり続けていきたいと思います。

執筆:黒田 洋味(FICC) / 撮影:後藤 真一郎

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