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新商品デジタルプロモーションの9ステップ

荻野 英希 /
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消費財ブランドのビジネスには,新商品のローンチが不可欠です。ブランドが生き残るためには,新商品を求める消費者や,リテーラーを満足させ続け,厳しい市場での競争力を維持しなければなりません。毎年,開発やマーケティングに多額の予算を費やし,何万もの新商品が棚に並びます。しかし,長期的に成功するのは,その中のほんの一握りでしかありません。

新商品ローンチの多くは,競合ブランドと同時期に,限られたリードタイムで実行されます。実験的な試みや,テストなどを繰り返す余裕はなく,成功のチャンスは一度しかありません。さらに,競合商品に溢れた市場では,参入コストの増加や,成功率のさらなる低下が,ブランドにとって大きなリスクとなります。新商品を成長の原動力とする消費財ブランドには,その成功を運に任せる余裕はなく,実証された,確かな手法が必要とされているのです。

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多くの商品ローンチの経験をもとに,その成功率を高めるデジタルプロモーションの手法を9ステップにまとめました。効果的なコミュニケーションを発見し,認知から購入,クチコミまでの流れを作ることで,確実に初動の売上を獲得します。

インサイト調査

競合商品や,商品カテゴリーのインサイトをソーシャルメディアの投稿から調査します。消費者の購買動機と,非購買動機をカテゴリー毎に分類し,その傾向を分析します。数日間のリードタイムで,複数の効果的なコミュニケーションの仮説を立てることができます。

ペルソナ設定

ソーシャルメディアの分析から,理想のターゲット像を定義します。複数ユーザーの投稿を過去にさかのぼって分析し,商品カテゴリーに対する意識や,日常生活を詳細に描写します。文章を一人称で作成することで,ニーズだけでなく,細かいニュアンスなども伝わり,ターゲット像に対するコンセンサスを形成します。

クリエイティブテスト

複数の仮説をテストし,最も効果的なクリエイティブを見つけ出します。バナーなど,制作コストの低い広告のバリエーションを配信し,閲覧者の行動データを分析します。広告視聴と購買行動を結びつけることにより,確実に購買に役立つクリエイティブを短期間で絞り込みます。

ソーシャル広告

特定のデモグラフィックやインタレストに合わせて,面積の大きい画像広告を配信します。ソーシャルメディア上のプロフィール情報などからユーザーを正確にターゲティングし,効率よくリーチします。従来のバナー広告よりも面積の大きい画像を表示することで,高いインパクトを与え,新商品のアウェアネスを向上させます。

動画広告

特定のデモグラフィックやインタレストに合わせて,YouTubeなどのサービスを通じて動画広告を配信します。視聴履歴などからユーザーを正確にターゲティングし,効率よくリーチします。TVに比べ,比較的低コストで,積極的な閲覧を獲得し,新商品のアウェアネスを向上させます。

ブランデッドコンテンツ

商品の特性やバリュー・プロポジション,購入方法などを伝えるページを作成します。コピーだけでなく,ビジュアルでのコミュニケーションを重視し,新商品への興味を喚起します。オンラインでの購入や店舗の検索,ソーシャルメディアでのシェアなどへユーザーを誘導し,店頭での売上や認知度を向上させます。

サンプリング

ユーザーを広告からサンプリングのキャンペーンサイトへと誘導し,動画視聴,シェア,友人の紹介,アンケートの記入などと共に応募を獲得します。サンプリング後に購入率を調査し,新規トライアルの獲得単価を算出します。ターゲティングしたユーザーにサンプリングを行うことで,サンプリング後の購入率を高めます。

レビュー

購入者やサンプリング済みのユーザーから,ソーシャルメディアやレビューサイトなどのレビューを獲得します。キャンペーンや製品パッケージなどからユーザーのメールアドレスを獲得し,レビューを促すメールを送信します。インセンティブなどは提供せず,事前にアンケートを通じて推奨度の高いユーザーを分類することで,レビューの品質を向上させることができます。

アンケート

施策の効果や,将来的な企画に向けたベンチマークなどを調査します。購入者やサンプリング済みのユーザーから,購入経験や購入意向,ネットプロモータースコア(NPS),NPSの採点理由を取得します。NPSと採点理由を取得することで,コミュニケーションの改善方法を知ることができます。

新商品のデジタルプロモーションを成功させるためには,個別の施策の相乗効果を理解し,全体を「プロセス」として機能させる必要があります。そのためには,ユーザーの理解に始まり,認知からトライアル,クチコミへの流れを作り,ステップごとの効果検証が欠かせません。感覚的にプランニングを行うのではなく,プロセスに沿って繰り返しプロモーションを実施することで,KPIのベンチマークやノウハウが蓄積され,新商品ローンチの成功率を高めることができるのです。