今こそ心の繋がりを取り戻すとき。FICCの考える「三密」を体現した年末全社会レポート

最近、会社や親しい人たちと、どんな場所でどのように話をしましたか?

オフィスへの出勤、友人とのランチ、飲み会など、今まで当たり前にそこにあった「日常」がすべて「非日常」になり、生活スタイルや価値観が大きく変化したコロナ禍。一方で、Zoomをはじめとしたオンラインツールが瞬く間に広まりました。

パソコン画面でのコミュニケーションが当たり前の日常となった今、リアルで人に会えることの貴重さを感じるとともに、オンラインの利便性に魅力を感じた人も少なくないはずです。だからこそ、この激動の期間に「人との心の繋がり」について再考した人も多かったのではないでしょうか。

2021年も残すところあと僅かという、2021年12月17日に行われた年末全社会。続くウイルスの影響も考慮し、最適な形を模索しながら開催されました。

運営メンバーたちの想い

この会を企画した運営メンバーは、コーポレートチームの中村萌子と加田木智也、メディア・プロモーション事業部京都(以下、MP京都)の齋藤紫乃と山本洋平の4名です。2020年の2月から新型コロナウイルス対策としてフルリモートが続く中で、出社していた頃のように社内の人との緩やかな繋がりを感じられず、ときには社内の雰囲気がなんとなくギクシャクしているように感じたという運営メンバーたち。オンラインでのやりとりが当たり前となるであろうアフターコロナにおいて、意識しなければ離れてしまうもの。それは「人との心の繋がりなのでは?」と、準備を重ねる中でこの一つの問いに行き着いた彼ら彼女ら。

運営メンバー(東京)左から:中村萌子、加田木智也
運営メンバー(京都)左から:山本洋平、齋藤紫乃

会のテーマは“心の三密”

今回のテーマは「三密」です。コロナ禍では、すっかり耳になじんだこの言葉。ウイルスの蔓延を防ぐために、「密閉」「密集」「密接」の避けるべき3つの密を指しています。今後も感染対策を意識しなければならないのはもちろんのことですが、今改めて見直したいのは「親密」「密接」「緊密」の「心の三密」です。人との距離が物理的にできても、「心の距離」は取り戻したい、そう考えた運営メンバーたちの想いがテーマに込められていました。

オンライン・オフラインの各拠点をモニターに投影

リモートワークの日々を経て少しずつ失われてしまった人間的な温かさや繋がり。この全社会をきっかけに、またゆるやかに失われてしまったものを取り戻したい。だから、できるだけ全メンバーが気兼ねなく話せるための時間を設けました、と運営メンバーを代表して中村が全メンバーに語りました。

当日、全員に渡された“ちょっとした”ギフト

組織という集団のなかで、メンバー同士が心を繋げるために、まず足掛かりとしてできることは何でしょうか。例えば、“ちょっとした”ギフトを渡したり、相手の“ちょっとした”情報を知ることができること……、今のFICCには“ちょっとした”相手との繋がりが必要かもしれません。

そのように考えた運営メンバーたちによって、全員に用意された“ちょっとした”ギフト。そこには、さまざまなメンバーたちの日常のお気に入りのおやつが入れられていました。セレクトしたメンバーたちそれぞれから、商品説明やおすすめの食べ方が語られます。ちょっとした日常のお裾分けから、知っているようで知らなかったメンバーの意外な側面も知ることができました。会場内からは、ときおり「これどんな味?」や「どこで買えるの?」と、このギフトから発生した雑談を耳にしました。

ギフトが入った袋は、少しだけ環境のことを考えて、メンバーが持ち寄ったショップバックをリユースしたもの
一つひとつ選ばれたメンバーお気に入りのおやつ。ちょっとしたコミュニケーションのきっかけにもなる

いざ開幕!

開幕とともに、「THE ZENSHAKAI 2021」のスライドが表示されました。開催日が、映画『マトリックス レザレクションズ』の公開日と同日ということもあり、メインビジュアルや全体のストーリーに映画の世界観の要素が取り入れられています。

キービジュアルのクリエイティブを担当したMP京都の石沼竜一

取締役の戸塚は、この数年はコロナ禍で会社としてさまざまな変化があったと語ります。「また久しぶりにリアルで会えたり、各拠点からみんなで繋がることができた貴重なこの場。だからこそ、楽しい一日にしましょう」と開幕の挨拶をしました。

取締役の戸塚省太

ゲーム企画1:共通点を見つけ出すための雑談

その後、さっそく一つ目のゲーム企画が始まりました。オンライン参加の人はオンライン、会場参加の人は会場と各拠点ごとにチーム分けがされ、企画者でもあるMP京都の齋藤によってルールが説明されます。

このゲームのテーマは「雑談」。チーム内で雑談をしながら、出身地・血液型・家族構成・好きなものなど、全員の共通点を探ろうという内容です。より多くの共通点を収集できたチームの得点が高くなります。この企画では、「テキストマイニングツール」という、PCスピーカーから拾った音声から自動的に頻出単語を抽出できるツールを活用し、雑談のなかの共通ワードを収集していきました。

始まった直後から、大きな盛り上がりを見せたこのゲーム。相手のことを知りたいと考えながら話をすると、自然と話が弾みます。「このチームならではの、みんなの本質的な共通点を見つけたいよね」とふと呟いたメンバーがいたように、「今、目の前の人に向き合う」そんな瞬間を純粋に感じられた企画でした。

ゲーム企画2:拠点の垣根を超えて、相手の話を引き出す

休憩を挟み、開催されたのは全員オンライン参加でのゲーム企画『ワードウルフ』。ワードウルフとは、みんなでお題について話し合い、「みんなとは異なるお題」を与えられたひとりのウルフを探し出すゲームです。先ほどの企画はオンラインとオフラインの各拠点ごとでしたが、拠点という垣根を超えたコミュニケーションができるよう、Zoomを使用して行われたこのゲーム。オンラインという利点もあり、各自オフィス内に分散して思い思いの場所から参加しました。

さまざまな場所からゲームに参加しているオフライン会場のメンバーたち

相手の話を引き出すために設計されたゲーム企画。肩書き関係なく対等に会話し、相手の思考の癖を読み取ろうと前のめりになっていたメンバーたちの様子が垣間見えました。

ゲーム企画3:さらに深い対話をし、共通点をストーリーへ

各自最初のチームの場所に戻り、最後の企画を行います。コミュニケーション目的のカードゲーム『キャット&チョコレート』を参考に、「3つの言葉を使って、ストーリーをつくり世界を救う」というお題でゲームが開催されました。その言葉とは、最初のゲーム企画でテキストマイニングツールに収集されたものです。

元々FICCには、「クロスシンク」という対話の文化があります。お互いの共通点を見つけ出し、それを掛け合わせて課題解決をする。そんな対話の仕方に慣れているFICCメンバーだからこそ、この企画内容はとても親和性のあるものでした。

普段のクリエイティブ案件で、コピーやストーリー作成のような言葉に携わることの多い現場メンバーたち。それもあってか、話し合いをする中でスラスラとストーリーへと繋がっていきます。短文でまとめるチーム、情景が思い浮かぶような文章を展開するチーム等、多種多様なストーリーがmiroに並べられます。最後は、全てのチームのストーリーを見て、「これがいい!」と思ったものに個々人が投票をしました。投票されていく様子を見ながら、「このチームさすがだよね」「こうすればよかった」「うちのチームがやっぱり一番!」とさまざまな声が聞こえてきました。時にはチームを超えた会話も飛び交っていました。

「人との繋がり」をテーマに選ばれた役員たちからのプレゼント

気が付いたらあっという間にすべての企画が終わり、ついに結果発表です。協力して心の密を深めることができた上位3チームが選出されます。景品の内容は、役員3名が大切な人と楽しんでほしいと「人との繋がり」をテーマに厳選したプレゼントです。

3位は「大切な人との繋がりを考えた、アフタヌーンティーのペアチケット」、2位は「離れていても繋がり合える、地域の生産者の想いが見えるグルメギフト」です。FICCが立ち上げに携わる、全国各地の名産品の購入により神社や祭を応援できる『祭エンジン』から商品を選べるギフトでした。そして栄えある1位は、去年に引き続き「俺の分まで食べてくれ!」と会長の荻野が選んだ、「年末年始に大切な人たちと楽しむ、豪華な肉おせち」でした。受賞されたチームのみなさん、おめでとうございます!

画像引用元:〈上段〉広尾のステーキハウス「Rusteaks」、〈下段左から〉祭エンジンうましまアソビュー!ギフト

最後に運試しということで「FICC年末ラッキールーレット」が開催されました。運あるメンバーには、映画の鑑賞ペアチケットが当たりました。

代表の森啓子

会の締め括り

最後に、全メンバーに向けて代表の森が語ります。メンバーみんなの健康が第一と経営判断をし、フルリモートが続いたこの2年弱は、我慢の時だったと振り返ります。

ネット環境があれば私たちの仕事は完結してしまうもの。しかし、メンバーに久しぶりに会ったことで「チームワークのFICC」だからこそ、オンラインで繋がっていれば大丈夫だということではないのだと純粋に感じた、と言います。

オフィスでは「調子どう?」とちょっとした声掛けができます。それができなくなったことで、大変な思いをしたメンバーもいたのではと思います。みんなに「頑張ってくれてありがとう」と感謝を伝えたい。一つひとつの出会いが貴重だから、今後はなるべくみんなが会える時間をつくっていけたらいいな、と語ります。

一人ひとりが自分の感覚を大切にしながらも、みんなで繋がることの素晴らしさについて考える、そんな一日であってほしい、と全メンバーへ届けられました。

代表の森啓子

産休・育休に入るメンバーを全員でお見送り

この会の翌週から、産休と育休に入るメンバーに対して「いってらっしゃい会」が、全員が集まったこのタイミングで開催されました。FICCメンバーである夫婦が、2人揃っての育休を取得予定です。以前、育休を活用した男性メンバーや他メンバーたちからも温かい言葉が送られました。

参加メンバーたちからのコメント

オフラインとオンラインのハイブリッドで開催された、今回の年末全社会。後日行ったアンケートには、こんなコメントが寄せられていました。

  • めちゃくちゃ楽しかったです!去年のゲームは頭を使うことが多くて、みんなで考え込む時間が長かった気がしますが、今回は「コミュニケーション」がテーマということもあったのか、楽しくワイワイ話しながら進められました。対面で会えたという環境の違いもあったのかもしれませんが……、運営メンバーのクリエイティブ力の凄さに毎度驚きです。チームメンバーだけじゃなくて、いろんなメンバーと話せたのも面白かったです。
  • チームもリアルであまり話したことがないメンツだったにも関わらず終始ワイワイできて、お酒がなくても人と楽しく過ごせる方法がいくらでもあるなと感じました。
  • コロナ禍の入社でしたので、直接人に会える機会があって嬉しく思いました。
  • 改めて、FICCの共同体の素晴らしさを実感しました。オンライン・オフラインとこれから融合していくことになるけれど、こうしてみんなが同じ目的のもと集まり交流する場が、今後も作っていけると理想的だと思っています。

毎年、メンバーに気付きを与えつつも楽しんでほしいと、地道な改善を重ねている運営メンバーたちへの労いの言葉も多くみられました。運営メンバーのみなさん、本当にお疲れ様でした!

オンライン・オフラインだけの選択に限らないハイブリッドな時代へ

リモートワークのメリット・デメリットは今後さらに議論されるべきですが、今後のアフターコロナ時代は、オンラインかオフラインかの二項対立ではなく、きっとその両方を取り入れた「ハイブリッド」な時代となっていくのでしょう。なにより大切なのは、「心の繋がり」を失わないこと。

きっともうコロナ前に戻ることはできません。一人ひとりの価値観やその時々の状況に合わせた集まりの方法を模索し、創造的な関係性を構築していけるか、そんなことが個人にも組織にも問われているのではないのでしょうか。

執筆:深澤枝里子(FICC) / 撮影:後藤真一郎