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消費財メーカーがデジタルマーケティングでフォーカスすべき4つのポイント

荻野 英希 /

消費者のメディア接触は確実にテレビからデジタルへとシフトしており、多くの広告主は従来のテレビと店頭中心のマーケティングに効果の陰りを感じています。さらに、エージェンシーのスキル不足に対する危機感から、今までブランド毎に分散していたノウハウやアセットを1つの部署に集約し、総合代理店を介さずにスペシャリストエージェンシーを直接採用するなど、クライアント企業が自らの手でデジタルマーケティングの課題を解決しようとする動きが本格化しています。

このような努力は数年以内に確実な競合優位性を生み出すでしょう。しかし、ただデジタルマーケティングの部署を立ち上げ、闇雲に試行錯誤を重ねるだけでは大きな成果を出すことはできません。競合も同様に、積極的にデジタルマーケティングに取り組んでいるとすれば、フォーカスするポイントが勝敗を分けることになります。

消費財メーカーがデジタルマーケティングでフォーカスすべきポイントは4つ。リーチ、フリーケンシー、クチコミ、そしてパッケージです。従来のマーケティングと大きくは変わりませんが、それぞれ少し考え方が異なります。

リーチ

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このスプライトの動画は2013年にYouTubeで最も人気の高かった動画広告に選ばれました。2013年は他にも多くの動画広告が配信され、100万回以上の再生回数も珍しいものではなくなりました。再生回数や、増え続ける広告の数を見るだけでも、その効果は高く、比較的多額の広告費が投下され始めたことがわかります。私たちもいくつかのプロジェクトで測定をした結果、YouTubeでの動画広告の費用対効果はTVCMよりも高く、商品やブランドの認知度を確実に向上させていました。

YouTubeの動画広告がTVCMを代替する訳ではありませんが、十分にその効果を補完し、高い費用対効果で認知度を高めてくれるメディアであることがわかります。比較的少ないコストで確実にリーチを稼ぐことでできるため、今年は多くのブランドがメディア費の一部をYouTubeへとシフトすることが予想されます。

動画広告はTVCMとは違い、強制的に見せるべきではありません。YouTubeでもスキップできない広告が一部存在しますが、ユーザーにとってネガティブな体験になるだけでなく、デジタル本来の強みである詳細なターゲティングや、行動データの獲得ができなくなります。

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動画広告はユーザーに自らの意志で閲覧してもらうため、広告としての情報と、エンターテイメント性を兼ね備えたコンテンツであるべきです。先ほどのスプライトの事例はコンテンツとしてのエンターテイメント性があり、ブランドが持つ爽快感のイメージを広告として上手く伝えています。このようなコンテンツとしての動画広告は、TVCMをそのまま流すケースに比べ、ユーザーが積極的に閲覧し、知人へと共有します。結果、視聴単価を下げ、費用対効果を大きく高めることができます。

さらに、エンターテイメント性の高い動画広告はブログメディアやまとめサイトなどを経由し、ソーシャルメディアへと広がります。優れたコンテンツの拡散経路には必ずインフルエンスの高い媒体が含まれており、継続的なテストを通じた費用対効果の改善が必要となります。

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動画広告だけでなく、バナー広告でも十分な認知度の向上が見込めます。バナー以外の広告を配信しなかったプロジェクトでは、測定した結果、インプレッション数と店頭での売上に相関関係が見られました。クリックされず、コンバージョンに至らないインプレッションも確実にビジネス成果に寄与していることがわかります。

フリーケンシー

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消費者は一日何回スマートフォンを起動しているでしょうか? ソーシャルメディアやゲーム、メール、ブラウザのアプリを数十回ずつ、一日100回以上もスマートフォンのアプリを起動している人は決して珍しくはありません。PCを含めれば、インターネットのメディア接触時間はテレビを大きく超え、若い世代にとっては最も重要なメディアとなっています。

デジタルメディアの場合、TVCMのように瞬間的に広くリーチをすることはできませんが、特定のユーザーだけに広告を配信することができます。全員ではなく、購入意向のあるユーザーだけにフリーケンシーを高めることができるのです。

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例えば、年齢や性別などのデモグラフィック、地域、インタレストのデータに加え、「製品情報ページを訪問した」などという行動履歴をベースにターゲティングをすることができます。Webサイトの製品情報ページを閲覧した人、サンプリングキャンペーンを閲覧・応募した人、Amazonで購入するリンクをクリックした人、またはYouTubeの動画広告を最後まで閲覧した人は製品に興味があると言えるでしょう。商品やブランドに興味や購入意向を持つユーザーをこのような行動をもとに割り出し、ターゲットとすることで、フリーケンシーの最適化が可能になります。

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ターゲティングの手法は日々多様化し、新たなマーケティング機会を生み出します。例えば今では、楽天で同じカテゴリーを購入したユーザーや、Gmailで競合のメールマガジンを受信しているユーザーをターゲティングすることも可能です。

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後の広告配信に役立てるため、様々なタッチポイントから有効なターゲットのデータを集め、分類することをデータマネジメントといいます。デジタルマーケティングの成功には、接触したユーザーの中から、ブランドや商品に興味や購買意向のあるユーザーを分類するためのタッチポイント設計が重要になります。 ユーザーのセグメントを分け、様々なクリエイティブを配信し、その効果を測定すれば、ターゲット毎に効果的なクリエイティブを割り出すこともできます。十分な人数を獲得することができれば、世代別に効果的なクリエイティブ、トライアルやリピート購入に効果的なクリエイティブ、または競合ブランドからのスイッチに効果的なクリエイティブを簡単に見つけられるでしょう。

クチコミ

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広告やPR施策を行っていないにも関わらず、稀に商品の売上が大きく伸びることがあります。マーケティング担当者を悩ませる好調な売上の背景には、大抵短期間で数万~十数万のクチコミが存在します。大量のクチコミが自然発生する仕組みは事例毎に異なり、再現することは困難ですが、個々のユーザーが「期待以上に満足し、ポジティブなコメントを投稿した」という点は共通します。 では、購入者の中から、「期待以上に満足した人」を抽出し、ソーシャルメディアへの投稿を促せば、ポジティブなクチコミを発生させることができ、十分なボリュームを得ることができれば大きなマーケティング効果が期待できます。NPSというロイヤルティ指標のアンケートから、ポイントの高いユーザーだけを抽出し、ECサイトのレビューやソーシャルメディアへと誘導すれば確実に良質なクチコミを発生させることができます。

更に、クチコミの投稿を応募条件としたソーシャルキャンペーンを実施すれば、短期間で万単位のクチコミを発生させることが可能です。ロイヤルティの高いユーザーのデータを十分に獲得することができれば、簡単に、大量のポジティブなクチコミを発生させることができるでしょう。

パッケージ

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製品パッケージは、購入意向のあるユーザーや、ロイヤルティの高いユーザーを最も効果的に囲い込むことができるメディアです。私たちの事例では購入者の7~10%のオプトインを獲得した実績があり、数百万人が購入する商品の場合、数千万円の広告費に換算することができます。

パッケージを起点とし、ロイヤルティの高いユーザーにクチコミを発生させることで、メディア費を掛けずに新規顧客を獲得する循環型のマーケティングを実現することができます。

製品パッケージは潜在顧客の購買判断の最終的な決め手となるメディアでもあります。ここで購入の後押しに効果的なコミュニケーションが「他者からの推薦」となるクレデンシャルです。投票キャンペーンや、コンテストなどを通じて特定のSKUにクレデンシャルを与え、パッケージに表記することで、購買判断に十分な影響を与えることが可能です。さらに、購買を後押しするクレデンシャルや、消費者を巻き込んだ商品の推薦などは流通のウケも良く、カスタマーマーケティングにも役立ちます。

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リーチ、フリーケンシー、クチコミ、パッケージの4つのポイントにフォーカスし、タッチポイントを設計すれば、アウェアネスやフリーケンシーを高め、クチコミ、トライアル、リピート購入を獲得するワーキングモデルができあがるはずです。そのモデルを継続的に改善し、長期的に運用することで、消費財の効果的なデジタルマーケティングを実現できます。