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Webデザイナーが成長するために学ぶべきROIとPDCA

私たちは日々インスピレーションを得るために多くのリニューアルされたサイトを目にしています。
しかし、それらのサイトはなぜリニューアルを行ったのでしょうか?『バックエンドのシステムが古い』『ブランドのコミュニケーションが変わった』など色々な理由は考えられますが、その一因に『期待した成果をWebサイトが上げられていない』ということが考えられます。

本来、Webサイトは広告とは違い、一度の投資に対して長期間にわたり効果を発揮するものです。私たちはクライアントに対し有効性の高いソリューションを提案・実行し、投資に対する効果を証明出来なければ、ビジネスの成長や、自身のWebマーケティングに対するスキルも成長すらも見込めないでしょう。

そこで、Webデザイナーも知るべきROI(Return on Investment : 投資対効果)とPDCAの6つのポイントをご紹介します。

PDCAによるチューニングポイントを明確化する

緻密なリサーチやストラテジーに基づいたWebサイトでも、公開しただけでは本来のパフォーマンス発揮できず、PDCA(Plan Do Check Act : 分析と改修)を迅速に行わなければ、投資に対し得られるはずの多くの効果を無駄にしてしまうことになります。
しかし、複数のマーケティング施策が同時に行われ、アウェアネスレベルの異なるユーザーがWebサイトに訪れるなか、コンテンツやデザイン要素の最適化を行うのは非常に困難です。効果的かつ効率的なPDCAを実施するためにはビジネスゴールに基づき、その目標の達成度合をKGI(Key Goal Indicator : 重要目標達成指標)と目標到達プロセスの実施状況を観測するKPI(Key Performance Indicator : 重要業績評価指標)を、予測される成功要因に基づき数値化しモニタリングを行いながら実行に移しましょう。

KGIを設定しゴール達成へのプランニングを行う

Webサイトの目的によってKGIは様々です。例えば、弊社が運営するデザイナー向けポートフォリオサイト「JAYPEG」を例にすると、「新規クリエイターの登録」がビジネスゴール、KGIは「月間◯◯人のユーザー登録(コンバージョン)」となります。しかし、達成状況が予測を下回る場合、KGIの数値だけではその原因を特定する事が難しく、結果無駄な時間を多く費やしてしまったという事態になりかねません。

成功要因を明確にしチューニングすべき的を絞る

Webサイトのコンバージョンが『会員登録』など1つしか存在しない場合、複数の成功要因とコンバージョンとの因果関係を明確にできなければ、チューニングすべきポイントを定めることができません。そこで、KGIに対して大きく影響を及ぼす主要な成功要因を予めリスト化することで的を絞っていきます。

成功要因のパフォーマンスを観測する

パフォーマンスを定点的に観測するためにKPIを設定しましょう。コンバージョンとは別の中間観測ポイントを設けることで、個々の成功要因のパフォーマンスを出来るだけ正確に把握し観測することができます。大抵の場合、KPIが上がればKGIが上がるという風に、数値は互いに関係しながら変化するはずです。KPIが変化してもコンバージョンに影響を及ぼさないか、影響度合が他の指標より低い場合はKPIを見直す必要があるでしょう。

改善施策はより早く確実に成果を出す

KPI数値を改善するコンテンツやデザイン要素の調整を行い、その結果を見るには約1週間程度の期間が必要です。そのため、改善施策にはA/Bテストを行いより少ない回数で実施することが重要です。
また、KPI設定後の十分な観測データを得たら、KGIとKPIの影響度合いからチューニングすべきポイントに対しプライオリティをつけ調整を行いましょう。更に素早く結果を出すことが可能になり、またその結果、コストパフォーマンスの合わないプロモーションや広告の出稿などは見なおす良い契機を見つけ出すことが可能になります。

Webデザイナーのブランドやストラテジーに対する理解が成功の鍵

現在行っているプロモーション施策のほか、CRMを通じた顧客リレーションや、口コミ、ソーシャルメディアやコミュニティサイトでのバイラルなど、環境や時期によって変化する要因もあり、それらは必ずしもアクセス解析だけで見つかるとは限りません。

ブランドやストラテジーに対する理解を持ち最適なクリエイティブを提案できるWebデザイナーがPDCAやROIのノウハウを身につけ蓄積することが、プロジェクトが成功させるための大きな要因となるでしょう。

全てのプロジェクトで上記の取り組みを行うことは難しいかもしれません。しかし、Google Analyticsであなたが作ったWebサイトは本当に機能しているのか? それを確認することは可能なはずです。
まずはそこから学び蓄積していくことで、次のクリエイティブへと活かしてみてください。

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