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デジタルマーケティングのKPI設計 & ROI分析

森 啓子 /

定期的にパフォーマンスレポーティングを行っているブランドのデジタルマーケティング担当者も、正しいレポーティングが行われているのか、また、セールスへの貢献をトラッキングできているのかが分からない…という方も多くいるのではないでしょうか。

  • 『昨月比での増減の推移をトラッキングし、アクセス数は増加、CVRは減少したと推移を見ているが、どこまで達成したら良いのか、何が上手くいっているのかが分からないまま数字だけ見ている…』
  • 『とりあえず、全ての数字を追いかけているが、何が重要であるかが分からない。全てを向上させようとするので、施策がフォーカスできず、労力もかかってしまう…』
  • 『デジタルの数値結果がどのように実セールスと相関しているのかが分からないため、費用対効果が不明瞭なままデジタル施策への投資を行なっている…』

セールスへの貢献を感覚的に判断するのではなく、ビジネスの目的を明確にし、目的に貢献する中間指標(KPI)を立て、測定し、実セールスデータとのパフォーマンスレビュー(ROI分析)を行うことで、何が本当に貢献したのかを明確にすることができます。

KPI設計、ROI分析が不明瞭になる理由

それは「目的が適切に定義されてない」、また「目的を達成するための中間指標の計測が可能となる、タッチポイント設計がなされていない」ことが要因です。ビジネス成長に貢献するデジタルマーケティングであっても、目的が単に「セールスを向上させる」という内容では、何を見るべきであるのかが明確ではないままプロジェクトが進んでしまいます。

ビジネスにおいて目的となるゴール指標は “KGI” と呼ばれ、KGIに繋がる中間指標が “KPI” です。セールスを構成する「新規顧客による間口獲得」を目的とするのか、または「リピーターの育成による奥行獲得」を目的にするのかというだけでも、ターゲットやタッチポイントが大きく変わります。KGIが不明確であると、KGIに繋がる中間指標、KPIを割り出すことはできません。

まずは、適切な目的を設定し、そして目的を達成するためのタッチポイント設計(どのターゲットに、どのタッチポイントで、何を伝え、何をさせるのか)を行なえば、どのタッチポイントで、どの数字をトラッキングすべきかを明確にすることができます。目的を達成するためのタッチポイント設計を行なうことこそが、KPI & ROI分析のための基盤となる重要なポイントです。

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KPI設計におけるテクニック

具体的なKPI値を決定するためには、目的を踏まえ、売上げ目標やセールス成長率などから、デジタル施策が担うべき数値を明確にします。まずは、ビジネスの目標数値をデジタルにおけるKPI値に換算することから始めます。例えば、新規顧客による間口獲得を目的とし、目標セールス成長率を10%とします。初めてデジタルプロモーションを実施する場合には、成長分をデジタル施策が担う範囲と設定し、成長分のセールスを達成するために必要な新規顧客数をデジタルが担うKPI値と設定することができます。例えば、サイトへの訪問や動画視聴完了がセールスと相関関係が認められるユーザアクションである場合には、サイト訪問と動画視聴完了の両方で、新規顧客数のリーチを獲得することをKPIとすることができます。

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ROI分析におけるテクニック

販路がオフラインである場合、デジタルマーケティングにおけるROI分析が不明瞭になる理由として、最終的に施策によって売上げが上がった下がったという結果だけに注目してしまい、具体的にどのタッチポイントのどのアクションがセールスに影響を及ぼしていたのかという分析とレビューを行っていないことが考えられます。タッチポイント設計とKPI設計を行なうことはもちろんですが、セールスデータとユーザアクションの相関分析を行い、仮説の検証を行うことが、効果的で明瞭なROI分析を実現します。何がワークし、何がワークしなかったのかを明確にし、ネクストステップを明確にすることも重要です。

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仮説が実証され、目的に寄与するアクションであることが明確になれば、次からは仮説としてではなく、実際に寄与するアクションの実績として、目的を達成するためのタッチポイント設計に組み込むことができるのです。施策毎に価値のあるレビューを行い、ブランド内でデジタルマーケティング資産を構築していくことこそが、費用対効果の高いデジタルマーケティングの実現のために、私たちが掲げるべき最も重要な目標設定なのではないでしょうか。