株式会社 再春館製薬所

再春館製薬所の大義を手元の業務につなげる、ワークショップの設計

認識がバラバラになった企業理念を再整理し、手元の業務とつなげる

ドモホルンリンクルで知られる再春館製薬所は、化粧品や医薬品などの製造・販売を行う会社です。もともとは、製薬会社からはじまり漢方理念に基づいた製品づくりとサービスを展開。長年、ダイレクトマーケティング(通信販売)の形を取りながらも、お客様との信頼関係を深め、継続率94%という長期的な関係性を築いてきました。

再春館製薬所には、いわゆる企業理念として「ありたい姿」という考えが存在していました。しかしその考えは、時間が経つにつれて組織内での認識がバラバラに。各部署・社員ごとに見ている方向が違うことで、ブランディングとマーケティングの分断も起きていました。

大義は、事業成長の源泉です。日々の業務において大義を軸に据えることができれば、ブランディング、マーケティング、そして様々な視点をもった各部署・社員の連携を可能にし、事業成長をドライブさせていきます。

そこで、大義と手元の業務とつなげることをプロジェクトの目的に、再春館製薬所とFICCでは「ありたい姿」の理解を深め、組織の共通認識を生み出す糸口を見つけるワークショップを行うことになりました。(2022年10月〜)

組織課題、ブランドの独自性、お客様の声等様々な視点から既存の企業理念を再整理

全5回(月1回)のワークショップを設計。参加メンバーには、さまざまな部署からベテラン・若手と世代も立場も異なる(ご担当者2名を除いた)12名を選んでいただきました。

1回目は、各自が業務の中で感じる課題について発表・共有する会に。参加者同士の相互理解を深めるワークを行いました。フラットに意見を出してもらえるよう、発言しきれてなさそうな人に、意識的に話を振るようにしながら、さまざまな意見を収集。ありたい姿が浸透してないために、どこか他人事になってしまっている現状を浮き彫りにしました。

2回目のワークでは、事前に課題図書を読んできてもらい、予習をした状態で望んでもらう場を設計しています。ブランドにとって理想的な大義のあり方の共通理解ができたからこそ、再春館製薬所としてどんなありたい姿(大義)を目指すべきかの議論が深まりました。

3・4回目のワークでは、大義に基づく活動がビジネス成長可能なものにするため、独自性の深掘りをしています。過去埋もれてしまっていた、再春館製薬所の漢方理念や漢方理念や、それに基づく自然への考え方など独自性につながる話が掘り起こされ、1つのターニングポイントとなりました。

そして、お客様からいただいたお声を見ながら、大義を体現するストーリーを掘り起こし、抽象的な大義の解像度をあげていきました。

そして最後の5回目のワークでは、プロジェクトのまとめとして、各自が学んだこと・ネクストアクションを考え発表。参加メンバーから、たくさんの具体的やアクションアイディア例が挙げられました。

再整理したブランド資源に基づきステートメントを作成

プロジェクトのディスカッションを通して、それまで曖昧になっていた社会と共有するゴール(再春館製薬所のステートメントにおける“つくりたい世界”)、それを実現するための再春館製薬所の社員にとっての使命を明確化。最終的には、この内容を元に、再春館製薬所の外部パートナーであるgood design companyさんに、ステートメントをつくっていただきました。

2023年4月に行われた社員総会では、西川代表と参加メンバーが全社員に向けて、プロジェクト内容を発表。整理された「ありたい姿」に対して、社内の反響も大きかったそう。

今の業務の中で、ありたい姿を判断基準に現場で考えて行動している参加メンバーも。ブランディングとマーケティングが接続されたことで、社内の足並みが揃い始め、徐々に現場でも活用されるものとなりました。

お客様の声

今回の一番の収穫は、お2人が社会と共有するゴールとそれを実現するための再春館製薬所社員にとっての使命を整理してくれたことです。FICCのように、会社の考えをしっかり理解をして、ブランディングとマーケティングを一気通貫で支援いただける会社は、なかなかないと思います。
ー 株式会社 再春館製薬所 ブランドコミュニケーション部 部長 音成宏美様

上司から言われるんじゃなくて、自分たちから上司へ提言していく。この構造で自走ができるようになったことが素晴らしいなと思います。手元の仕事と大義がつながる絵は描けた。それをちゃんと実行して、日常的につながっている状態をつくるために、今まさに現場と一緒にやろうとしています。
ー 株式会社 再春館製薬所 人財部 部長 秋本翼様

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