「案件ではなく、再現性のある資産を納品すること」価値を提供するチームの条件

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「価値を提供する組織とは、一体どんな組織なのか」

創業1年目のFICCに入社し、現在は取締役を務める森啓子。FICCが掲げる「クライアントの欠かせないパートナーとして私たち独自の価値を提供する」というミッションを、彼女はどう体現しているのでしょうか。

今回は「価値提供を行うチーム」をテーマにインタビューを行いました。

主体性を持って学び、主体性を持って仕事に取り組むチームが価値を生む

「主体性を持ったチーム」が価値提供を行うチームだなと思っています。仕事はなんでもそうだと思うのですが、情熱がないと学ぶ余白がなくなるんです。もちろんオーバーワークは良くないんですが、「学びたい」という欲求があると自分自身に追い込みをかけられるし、経験上いちばん成長できるなと。

そして「学びたい」という欲求が刺激されると主体性が生まれて、インプットもアウトプットも質が上がるんですよね。なので価値提供ができるチームというのは、主体性を持って学んで、主体性を持って仕事に取り組むチームだと思っています。

ただ、「主体性を持ちましょう」と言っても主体性は生まれない。なので各メンバーの仕事におけるテーマを決める際に、まず自分の人生を振り返ってもらっています。そして自分が「マーケティング × ◯◯」でやりたいことは何かを考えてもらうようにしています。そうすると自身の学びや成長を自分ごと化できる。

また、チームのメンバーがマーケティングに対してどういったアプローチをするかは、人それぞれ違うからこそ面白く、新しい気付きや価値が生まれるのだと思っています。そして、ユニークな視点が集まることが、チームでいる価値だとも。

たとえば、いまのチームメンバーもバックグラウンドはバラバラで。統計学を学んできたメンバーは統計学的アプローチで問題解決をするし、文学を学んでいたメンバーは、ストーリーテリングの視点から、消費者に響くコミュニケーションとアウトプットを追求する。
そういった様々なバックグラウンドを持ったメンバーがお互いに補填し合うことで新しい価値が生まれるので、プロジェクトチームを結成するときはそういったバックグラウンドを見てアサインしたりします。

リベラルアーツ教育から学んだ「学際的アプローチ」が、主体性を生み出すヒント

主体性を持って、自分の興味のある分野を仕事に掛け合わせることの大切さは、学生時代のときに痛感しました。

まず高校のときにオーストラリアに留学をして衝撃を受けたのが、課題へのアプローチ。みんなでビーチに行って砂浜の傾斜を記録して、そこから論文を書きなさい、という課題があったりするんですよ。数学的アプローチをする人もいれば、まったく違うアプローチをする人もいる。わたしは過去の新聞を引っ張り出して、風向きとビーチの傾斜のデータを集め、データ分析を行い論文を書いたりしました。

大学はアメリカへ行ったのですが、リベラルアーツという教育方針を採用している大学で、様々な分野の学びが求められ、また、専攻と副専攻が卒業には必要でした。わたしはアートを専攻し、数学を副専攻として学びました。まったく別のように思える2つの学問ですけど、学んでいくうちに実は関連づけられることが多いんです。2つの分野を組み合わせた作品づくりなんかもしてました。また、心理学を専攻している友だちとの会話の中で、心理学でも数学でも同じロジックを学んでいることに驚いたり。分野で重なりを見つけるもの楽しい体験でした。

リベラルアーツ教育って素敵だなと思ったのは、1つの分野だけではなく、いろいろな分野から分野を融合させて、自分の興味あるものを見つけて追求し、新しい発見や価値を見出す、という考えなんです。そうすることで、偏らない、新しい考えが生まれるんですよね。

そういった経験から、「自分の興味ある分野からアプローチすることに価値がある」と思うようになって、いまのチームのビジョンも “Interdisciplinary Marketing” 、日本語でいう「学際的にマーケティングを追求する」というテーマに設定しています。

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私自身もデザイナーとしてFICCに入社していたので、入社当初はウィンドウディスプレイのデザインとかをしていたんです。だけど当時は企画をやるヒトがいなかったので、わたしが担当することになって。実は企画を担当することに抵抗がありました。その時は、これまでのバックグラウンドと企画との関係性が見い出せていなかったから。でもチャンスを潰すのも嫌だし、「1%でも可能性があるなら、やってみよう」と思ってやろうと。

そして振り返ってみると、実はオーストラリアでもアメリカでも学生時代は、テーマを見つけゼロからストーリーを紡ぐ、そんな論文やアウトプット三昧の人生でした。そして、ずっとプレゼンばかり。全身鏡の前で練習したりもしていて。だから、「人に伝える」というのをやり続けてきた人生だったなと。そう思うと、企画をやるプランナーというのは実は自分に向いているんじゃないかと思うようになって、99%嫌だったのが、100%やりたいと思えるようになったんです。

それって「自分ごと化」できたから、やりたいと思えるようになったんですよね。「やりたい」と心から主体性を持ち成長するためには、自分の人生やバックグラウンドとの関係性を自身で見出し腹落ちすることがとても大切なんだなと。

なので、いまはメンバーと「どんなことやってきたの?」みたいなことをカフェで2時間とか話したりします。履歴書だけではわからないことってたくさんあるじゃないですか。そして、本人たちも話していたら気づくということが多々あるんです。この学んできたことといまの仕事を、こう組み合わせることができそう!みたいなことって、結構あるんですよね。

過去にメンバーが辞めてしまった理由、それは「表面的な言葉での会話」だった

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「価値提供を行うチーム」という話で言うと、学際的アプローチはチームのメンバー間でも重要で。チームのメンバー間でもお互いの得意な分野から相互作用が生まれるようにしていく必要があります。そこで定期的にチームランチをやったりもそうなんですが、お互いがどんなバックグラウンドを持っているかを共有し合う場を設けました。

というのもバックグラウンドを共有できていると、ひとりが何か発言をしたときに、他のメンバーはその人が発言した本質や背景がわかるから、表面的な言葉でとらえて終わるということが減るんです。より深いコミュニケーションがとれるようになるんですね。
だから、やっぱり人間と人間なので腹を割って話す関係性が大事だなと思います。

数年前に、プロジェクトメンバーが辞めてしまったことがあって。その理由が「クライアント担当者との関係」だったんです。わたしはその担当者の方がすごい好きだったんですけど、その状況に気づいてあげられなくて。
蓋を開けてみると、お互いを深く知らないがゆえに表面的な言葉でしか会話ができていなかったんです。だから誤解が生まれてしまったり。でも、担当者の方もそんなつもりで言っているわけではないんですよ。そのとき、「わたしが間に立っているのに、なんでもっと担当者のことをちゃんと伝えてあげられなかったんだろう」とすごく後悔して。

その担当者の方は自身の経験から、めちゃくちゃ仕事に熱心。だから無理をさせたいとかそんな気持ちがあるわけじゃなくて、誰よりも良いものを追求したいと思っていたわけです。それを当時はなぜメンバーに伝えてあげられなかったんだろうと本当に後悔で。それからは、クライント担当者の想いやビジョンを、プロジェクトチームメンバーにもたくさん話すようにしています。

そして、それってクライアントに対してだけでなくて、社内のメンバー間でも同じだなと。言葉って表面的なので、「なんでその人はそう言っているんだろう」と一歩踏み込んで考えるというのが大切なんですよね。

「価値のないものに会話は生まれない」納品するのは案件ではなく、再現性のある資産

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“価値” って何かなと思うと、マーケティングにおいては「資産」だと思うんですね。なのでメンバーにも伝えているのですが、「案件を納品をしているのではなく、わたしたちは資産を納品してる」と。

案件の中で一番大切なのは、”DO” よりも “REVIEW” なんですよ。そしてレポートもファクトの振り返りだけでは意味がなくて。レポートってブリーフから半年後などに行うのですが、半年も経てば、クライントの課題も変わっていたりします。レポートのタイミングでクライアントがいま困っていること、いまのビジネス課題などをヒアリングをして、それをもとにどういったレポートに価値があるのかという “レポートプランニング” をするんです。

そして大手の企業だと、複数のブランドを持っていたりするんですが、そうなるとブランド単体でナレッジを貯めてしまうともったいないので、企業としてもナレッジを横展開したいわけです。そこでブランドだけのレポートではなく、いかに横展開できる資産を納品できるかをわたしたちは意識しています。
結果を渡すのではなくプロセスを渡すことで、「再現性のある資産」を提供すること。だからデータしかり、プロセスしかり、フレームワークしかり、すべて資産として納品しています。

そういった資産を納品すると、白熱して一緒に盛り上がれるんですよ。興味ないもの、価値のないものを渡されてもそこから会話は生まれないじゃないですか。直接「ありがとう」と言っていただけるのも嬉しいのですが、そうやって一緒に盛り上がっていただけることが嬉しいですし、認めてもらえてまた次のお仕事をいただけていること自体が嬉しいですね。

そしてクライアントに喜んでいただけるだけじゃなくて、自分たちも学ぶことがいっぱいあるんですよ。「あっ、これ次に使えるね」ということもあるし、他のチームにも横展開できるナレッジとして蓄積されていく。そして「価値提供ができる」って会社としてだけでなくて、そのメンバー自身のブランディングや価値にも繋がるんです。
だからFICCはメンバー自身の挑戦や学びというのをすごい大切にしているし、そこから価値を生み出すこと自体を魅力と定義しています。自分独自の価値を見つけ出したい人の居場所であり続けられるFICCとして、これからも、みんなと成長し続けていたいですね。

インタビュー:FICC 森啓子 / 文・写真:永田優介

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