創業当時から変わらない価値提供という姿勢 ― FICC創業者インタビュー

デジタルエージェンシーとして、クライアントや市場に価値を提供し続けるFICCが創業したのは、「デジタルマーケティング」という言葉すらなかった2004年。その市場を切り開いてきたFICCはいかにして誕生し、今後どのような展開を考えているのでしょうか。

今回、FICC代表の荻野英希と創業時から荻野を支えてきたFICC取締役・平野健太郎にインタビューを行い、FICCの過去、そして未来についてお話を伺いました。

「クライアントの役に立ちたい」創業時から変わらない価値提供という姿勢

― なぜFICCを立ち上げることになったのでしょうか?

平野:もともと、僕は美術館で学芸員として働いてたんですよ。美術館の学芸員って年間でも数人なれるかなれないかという世界だから、希少性高くていいなと思って(笑)。そしてそろそろ次に何か新しいことをしたいなと思っていた矢先、タイミングよく荻野から誘いがあって。

荻野:FICCの前も自分で4年くらい会社をやっていて。だけど「もう一度ゼロからスタートしてみたい」という気持ちが生まれて。

平野:ただ、最初はフリーランスとしてふたりで一緒にWeb制作をしよう、といった誘いだったのですが、突然「やっぱり、会社をつくる」と言い出して。僕はフリーランスをやる気満々だったのに(笑)。

だけどそのとき荻野がいいこと言って。僕と荻野だけだったら80くらいだけど、当時いた面白い若手の子たちと一緒に仕事をしたらそれが100や120になるかもしれない。だからやっぱり会社をやりたい、と。なんか僕も面白そうだなと思って、会社をつくることにしました。

荻野:クオリティの高いおもしろいクリエイターが自然に集まってたから、最初からちょっと変わった会社でしたね。

― FICCのビジョンである「価値提供」という考え方は、創業当初からあったのでしょうか?

荻野:明文化したのは最近ですが「価値を提供し続けたい」というのは創業当初から思っていました。

当時はFlashやWebデザインが目的の時代でしたから、サイト自体、ただ「かっこいい」「めずらしい」といったような機能性のないものだったんですよね。

しかし予算を投下するのであれば、お客さまのビジネスに役立つ、そしてよい結果をもたらすものにするべきだと考えていて。そういったことを提案したりもするのですが、当時はまだ経験もありませんし、代理店の方からは「君たちはかっこいいサイトだけをつくっていればいい」と言われ、ただただ悔しかったのを今でも覚えています。

「今は重要ではないかも知れないけど、いずれビジネスに役に立つWebサイトというのが絶対に重要になる」と、ずっと思っていましたね。

平野:クライアントに価値を提供するためには、クライアントと毎回向き合って、クライアントのビジネスのことを考えた上で提案していく必要があるんですよね。すでにあるものを売っているわけではないんですよ、僕たちって。

創業当初の、もう何年も前の話ですが、FICCとして最初に大きな案件をいただいたときは僕がディレクターとして企画書をつくりまして。すでにコンペで他社に決まっていたので、まわりからは口々に無理だと言われていたのですが、そのクライアントの代表と直接話をして「僕だったらやれる」と思いました。

というのも、クライアントにとって当たり前のことでも、そのブランドのことをしっかり理解すると見えてくれる価値のあるコンテンツというのがあるんですよ。そして必要なコンテンツを積み上げていくと見積もりは当初の予算を越えてましたけど、僕らの提案がクライアントにとって価値あるものだと信じていましたから、「ダメ元でチャレンジして…」なんて思ってもいませんでした。

そしたらクライアントは喜んでくださいましたし、発注していただけました。毎回お客さまとしっかり向き合って価値をつくっていく。その結果、そのクライアントとは10年以上もの長いお付き合いとなりました。

荻野:究極的に人は「だれかの役に立ちたい」というのが強くあるんですよ。そのためには、マーケティングの知識だけでなく、クライアントの課題を見つけ出し、新しい解決策を提供する能力が大切で。

クライアントが困っているときに「本当の問題はこれですよね、であればこうやって解決しましょう」と言ってあげられるというのは、お互いのビジネスにとっても良いことですし、有意義だと思うんですよね。

平野:クライアントと直でやることでお客さま視点になって一緒に考えられるし、仕事がただの「作業」にならず、クライアントの課題を解決するための「人助け」のような仕事になる。きっと、僕たちは仕事が好きというより、人が好きなんでしょうね。その人のために何かしてあげたい、クライアントと正面から向き合いたい、という気持ちが強いんだろうなと。

荻野:平野とふたりではじめようとしてから13年が経ち、社員数は50名以上となったわけですが「価値を提供し続けたい」という思いはメンバーそれぞれに受け継がれているなと思います。だからこそ「価値提供」をビジョンとして明文化した、またできたと思っています。

FICCのメンバーの「価値提供」をそれぞれ映し出したコンテンツ

「案件ではなく、再現性のある資産を納品すること」価値を提供するチームの条件
取締役 森啓子
https://www.ficc.jp/inside/20161111/

「わかってくれるだろう、は間違いです」福岡陽が語るプロモーションに本当に必要なものとは
クリエイティブディレクター 福岡陽
https://www.ficc.jp/inside/20161104/

「いまの仕事、取り組めてますか?」こなす仕事は中途半端な結果しか生まない
プロデューサー 稲葉優一郎
https://www.ficc.jp/inside/20161118/

「消費者は戦略なんて意識しない」施策における大きな変数はクリエイティブである
クリエイティブディレクター 林信輔
https://www.ficc.jp/inside/20161220/

「リサーチはクリエイティブな業務」正しいユーザーニーズの理解が消費者の心を動かす
プロデューサー 土方将平
https://www.ficc.jp/inside/20161209/

「カッコイイからやりましょうは通らない」データドリブンであり続けることが私たちの価値提供
プロデューサー 宮内あかり、サレス樹里在
https://www.ficc.jp/inside/20170116/

デジタルエージェンシーとして、FICCはどうあり続けるのか

― デジタルマーケティングの領域で求められる人材はどういった方でしょうか?

荻野:一方通行ではなく、市場と対話したい人ですね。「自分が出したアイデアが市場にどう受け止められるかが見てみたい」「その結果に対してさらにアクションを取ってみたい」と思えるかどうか。それはつまり、市場との対話なんですね。

広告を1,000万人に見てもらえれば1,000万通りの反応があり、そのデータを分析してどう返すか。これがインタラクティブ性であり、市場との対話であり、デジタルマーケティングです。

ですからFICCのメンバーが成長したなと思う瞬間は、クリエイティブを主観的に話さなくなったときです。「これ、面白くない?」といった主観ではなく、クライアントが求めるもの、市場のデータ、リサーチから根拠を出して論理的にクリエイティブを話すようになると、成長したなと思います。

平野:この業界の採用において大事なのは「探究心」があることですよね。会社が成長期だとスキルを求めがちですけど、スキルベースで採用してもうまくいかないんです。なぜなら、スキルは現場で教えられるけど、探究心は教えることができませんから。

荻野:学ぶ気があれば、なんでも学べます。でも学ぶ気がなくて、「自分はこうです」と決めつけてしまっている人は成長しづらいでしょうね。一方で対話の中から答えを見出そうとか、繋がってみようと思う人は絶対成長していきます。

平野:そう。僕らは新しいことをやってるから、新しいことの知見なんて誰もない。ある意味、みんなフラットなんです。だからスキルとか経験則もあるけど、その環境でどう対応するか、どう取り組むかという方が大事だなと。

― 最後に、今後の展望をお願いいたします

平野:いままで愚直にやってきた結果、社内に知見も溜まってきましたし、優秀な人材も育ってきました。いろいろとチャレンジができる環境が整ってきたなと思います。

そしてチャレンジして可能性を広げることこそが、変化の激しい時代においては会社として存続するために必要だと思うので、今後は戦略的なチャレンジをどんどんしていきたいですね。

メンバーに対しても、各々が持っている可能性をより高い価値として市場に提供していけるよう、人の可能性を広げられる経営をしていきたいと考えています。

荻野:テレビや新聞・雑誌といったマスメディアを使ったブランディングであったり、リアルと連動したブランディングなどありますが、FICCは「デジタルで」ブランディングができる会社になりたいと考えています。ブランディングというのは、ブランドの認知度を上げ、ブランドの意味を伝え、ブランドを好きになってもらうことの3つ。これらをデジタルでできたら業界全体に対しても貢献できるかなと。

FICCがこれまでそうであったように、これからも価値を創造し続け、クライアントに価値を提供し続けていきます。ゴールはありません、ずっと前に進み続けること。その結果として業界にインパクトを与え、新しいマーケティングのスタンダードをつくっていく会社を目指していきます。

インタビュー:FICC 荻野英希・平野健太郎 / 文:永田優介

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