学習は業務の一部であるため、デブリーフィングは実行計画に事前に含まれている必要があります。デブリーフィングの重要度は、オリエンやブリーフィングと同等であり、すべてのメンバーに時間厳守、出席、および貢献が求められます。メンバーは全員、WORKED / NOT WORKED(上手く行ったことと行かなかったこと)と、その原因について話し合い、分析をする準備をしなければなりません。予想外の成功や間違った仮説に基づく成功も、問題として分析する必要があります。
ブランドパーパスのインパクトは組織内から始まります。パーパスから得られるメリットの中でも、チームの結束は最も目に見え、価値のあるものです。アンケートによって社内エンゲージメントを測るツールなどで、ブランドの一部であることに対する従業員の熱意を理解することはできません。そのためには、1 on 1などの対面のミーティングが欠かせません。
一人ひとりの状況に合わせて、広告をパーソナライズする事はまだ現実的ではありません。そのため、Facebookは広告主のために、メディア消費の状況を3つに分類しています。生活者が特定の情報を積極的に求め、「前のめり」になっている状況を”Lean Forward”、移動中でSnackable(つまみ食い可能)なコンテンツを消費している状況は”On the Go”、そして、目の前に流れるコンテンツを消極的に消費する状況を”Lean Back”と言います。それぞれの状況では、広告に対する受容率や、受容される広告の種類が異なります。
アドバタイジングオートメーションは、広告取引の自動化を意味するプログラマティックバイイングに加え、広告のプランニングやオプティマイゼーション(最適化)をも自動化する考え方です。生活者の行動データをもとに、広告配信をリアルタイムに最適化することで、コンテンツパーソナライゼーションをスケール化が可能になります。世界最大の広告主であるP&Gは、生活者一人ひとりとOne to Oneの関係を築くと明言しています。しかし、その実現は、人間業では及ばず、広告配信をリアルタイムに最適化するAI(人工知能)の活用が不可欠となります。
デジタルマーケティングは、膨大な量のデータ収集を可能にします。しかし、マーケティング施策が必要なデータを収集するように設計されていなければ、集められたデータは何の役にも立ちません。DMPを設け、データマネジメントの重要性を掲げる広告主は増えました。しかし、そのデータは本当にマーケティングの改善に役立てているのは、そのなかでもほんのひと握りなのではないでしょうか。“Garbage in / Garbage out”(ゴミのようなデータを分析しても、ゴミしか得られない)と言われるような結果を防ぐために、私たちは数値化が可能なマーケティングに挑み続けなければならないのです。
理由なく新しいものを取り入れることを英語で、“Innovation for innovation’s sake”(イノベーションのためのイノベーション)といいます。経営者がトップダウンでデジタル化を推進するような企業でも、デジタル化そのものが目的化してしまうことは決して珍しいことではありません。デジタル推進の御旗を掲げる経営者の多くは、自身が専門家でないことを理由に、その目的や戦略を定義していないのです。その結果、目的が不明瞭なまま、戦略から実行までが、社内で十分な影響力や連携体制を持たない専門部署などに丸投げされてしまいます。
インサイトの発掘には従来、座談会やグループインタビューなど、生活者の声を直接聞く手法が用いられてきました。しかし、それでは得られる情報が少人数の意見に限定され、発言の内容も、場の雰囲気や他人の意見に流されてしまいます。また、そもそも内向的な人物は、そのような場に足を運んでくれないという可能性も否めません。ネット調査の普及に伴い、様々な生活者の声を低コストで集められるようにはなりましが、ポイントなどのインセンティブが存在し、一方的に回答を得るだけのオンラインアンケートでは、回答内容の正確性だけでなく、インサイトに近づくための思考の深さが期待できません。現在ではオンラインで不特定多数のユーザーと、継続的な対話が行えるMROC(Market Research Online Communityの略。生活者の声を傾聴したり、観察をしたりすることで気づきを得るという手法。)を通じて、この課題を解決することができます。
今年発表された数々のマーケティング関連のトピックからは、ある共通点を見ることができます。それは、ブランドがインターネットに溢れる情報の喧騒を打破(Break through the clutter)し、消費者との繋がりを生むためにはストーリーテリングが欠かせないというものです。今回は先月のSXSWで発表された内容を、以下の4つのトレンドにまとめます。
デジタルセキュリティのカテゴリーをリードするノートンは、「In Search of the Most Dangerous Town on the Internet(インターネットで最も危険な街を求めて)」というドキュメンタリーシリーズで、サイバー犯罪の暗く、かつ魅力的な世界を明らかにしました。ルーマニア中部の人里離れたリムニク・ヴィルチャの街は、世界中で最もサイバー犯罪が多い都市の1つです。映像は都市部を中心としていますが、その内容からは、共産主義の崩壊、コンピューターアクセス、高い水準の教育を受けている人口、そして国内のビジネスチャンスの少なさなどの複合的な理由から、ルーマニアの国全体がハッキングの温床となっていることがわかります。
1.2. ペルーの貧しい子供たちに空の旅を
ペルーの航空会社LANは、企業のCSRプログラムとして、僻地の経済的に恵まれない子供たちに、首都のリマへの無料旅行を提供するプログラムを実施しています。5年間にわたり、「Kids That Dream, Kids That Fly(夢みる子供、空飛ぶ子供)」と題されたこのキャンペーンで、国内でもとくに貧しい子供たち350人に飛行機旅行の初体験をプレゼントしてきました。
オンライン広告のオフライン行動に対する影響を計測する試みは、アメリカで選挙運動の分析のために90年代後半に始まりました。1999年にはWeb上の行動データとアンケート調査データを連携させた広告効果測定を専門とするDynamic Logic社(現Millward Brown Digital社)が設立されています。広告接触者と非接触者にアンケート調査を行い、認知率や購入意向率の上昇を計測するブランドリフト調査の基本的な考え方は今も変わっていません。現在、米GoogleではAdwordsの標準機能としてブランドリフト調査を提供しており、誰でもリアルタイムに認知率、広告想起率、興味率を計測できるようになっています。
ターゲット像を描くためにはI am statementという方法を使用します。I am Statementとは一人称の視点からターゲットの心理を描いた文章のことです。このI am statementはステップ3で得られた複数のインサイトや、リサーチをする過程で見つかったユーザーの特徴などから作ることができます。今回はハーゲンダッツのユーザーがターゲットということで、インサイトリサーチの結果から簡単なI am Statementを作成してみました。
いかがでしょうか。これまでに出てきた複数のインサイトに加えて、ユーザーの特徴などを少し組み合わせてあげることで、このようなI am Statementを作成することができました。さらに詳細なターゲット像を導き出したい場合はペルソナリサーチという方法もあります。インサイトに加えて上記のようなターゲット像を明確にすることで、よりコミュニケーション設計に役立てることができるようになります。
インサイトはコミュニケーション設計を行う上で欠かすことのできないものです。インサイトリサーチの過程はインサイトを発見するだけではなく、I am Statementのようなターゲット像の作成、他にもコミュニケーション設計を行う様々な場面の土台となります。ある程度の時間と経験は必要となりますが、誰でもネットに繋がる環境さえあれば、どこでもリサーチすることが可能です。リサーチの過程は財産となることばかりですので、インサイト調査する際はぜひ一度試してみてください。
Google Adwordsのキーワードプランナーにブランド名を入力すれば、おおよその月間検索ボリュームを表示してくれます。どれだけの消費者が積極的にブランドの情報を求めているかを比較することが可能です。Googleトレンドにブランド名を入力すれば、検索ボリュームの変動を時系列で比較することもできます。
このように簡単なI am Statementでも、「何度飲んでも飽きない味だから競合のスポーツドリンクを選ぶ」「節約のために2リットルのスポーツドリンクを買う」「スポーツの時だけではなく、ライブでもスポーツドリンクを飲む」といったターゲットの心理・行動を読み取ることができます。I am Statementを作る際にもソーシャルメディアのタイムラインから読み取った情報が活きていきます。
Dollar Shave Clubのコンテンツの成功は注目すべきものですが,それを再現することは容易ではありません。ブランデッドコンテンツにはエンターテインメント性が欠かせないため,その効果は純粋な広告よりも大きな不確実性を含みます。Dollar Shave Clubの2本目の動画も良い評判を得ていますが,1本目の効果を超えることはとても難しいでしょう。
2011年に公開されたChipotleのアニメーション,『Back to The Start』はユーザーの反応に対して,ブランドがマーケティングを最適化した良い事例です。大規模な近代農業が抱える倫理的な問題に焦点をあてたこのアニメーションは,YouTubeでヒットした後にGrammy AwardsのCM枠で2分の尺のままで放映され,大きな脚光を浴びました。普段はTVへの投資を行わないChipotleが事前にプランニングしていたわけではなく,YouTubeの反応を見て直前で大きなメディア投資の判断を行ったのです。
Google Display Networkのディスプレイ広告はオークション形式ではありますが、単価が高いものが必ずしも表示されるという訳ではありません。広告のインプレッションはeCPMという単位で売買されており、その値はCTR x CPC x 1000で算出されます。そのため、よくクリックされる広告は、そうでない広告と比べて少ない費用で広告を配信することが可能になります。
Webサイトの運営・管理を担当している場合はその稼動状態やリンク切れなどを把握しておきたいものですが、常にチェックするのは非現実的。UptimerRobotは、5分おきにWebサイトが稼働しているかをチェックし、稼働していない場合にはアラートを送ってくれる便利なツールです。Xenu’s Link Sleuthは、リンク切れを自動的に見つけてくれる無料ツールです。
更にAlexaを使えばおおよそのトラフィックを比較することもできます。データは必ずしも正確とは言えませんが、複数の競合を比較し、ベンチマークを設定することには有効です。(9月時点で、より詳しい情報を提供していたGoogle Ad Plannerの情報表示はGoogleディスプレイ広告ネットワーク内サイトに制限されています。)
Basecamp(45日以降は有料)を使えばプロジェクト毎にタスクリストを作り、社内外を問わずチームメンバーにデッドラインを付けてアサインすることができます。必要な資料などもディスカッションとして一箇所にまとめられ、メールのアラートやリマインダーなどを通じたスムーズなプロジェクト進行が可能になります。自身のタスク管理だけであれば、remember the milkなどのツールが使いやすいでしょう。