まずは、プロジェクトの最上位にある「目的」を把握しましょう。プロジェクトにおけるすべての行動がこれに基づくからです。例えば「購入促進」が目的であれば、そのKPI(中間指標)は「eコマースへの誘導率」などが考えられるでしょう。プロジェクトの目的とKPIを理解することで、デザインにおいて「eコマースへの誘導ボタン」が“プライオリティ”の高い要素であると導かれます。そして、行動を喚起すること(CTA = Call To Action)もまた必要不可欠となります。
プロジェクトの戦略に基づいて、キャンペーン応募、会員登録、シェアなど、ページでユーザーにどのようなアクションをさせたいのかを定義し、Call to Action(CtA)を明確にします。
もしそれがボタンクリックなのであれば、ユーザーの行動を喚起できるような位置にボタンを配置します。ここをワイヤーフレームの段階できちんと定義しておくことで、デザイナーもデザイン時の参考にしやすくなります。
サブトラクションでは、商品やサービスが提供する体験の構成要素を分解し、重要なものを1つ取り除きます。商品が提供するエモーショナルなベネフィットなどを描くのに効果的です。上記のハインツの例では、最も重要なケチャップのボトル自体を映像から無くし、「幸せな食卓」というベネフィットを演出しています。MazdaのBe a Driverも同じような方法で考えられたのかもしれません。
去る6月25日(水)、竹橋マイナビルームにてマイナビ様が主催する「Creator’s Career Lounge(以下、CCL) vol.6」が開催され、FICCから戸塚、福岡、冨田、STANDARD社から鈴木 健一氏が登壇しました。「Webデザイントレンドの潮流」をテーマに、これまでのWebデザインが歩んだ歴史と背景、そして現在Webの現場で活躍するWebデザイン技法について、約2時間に渡った講演の内容を振り返ります。
どのブランドにもコミュニティが存在します。彼らは提供される商品やサービスのファンであり、自主的に周りへそのブランドを薦めてくれています。しかし、ブランド側がこのコミュニティの一部にならなければ、そこで発生する会話に影響をおよぼすことはできません。MTVでは、2010年にVideo Music Awardsの放送と連動した投票、ライブブログやチャット機能を提供しています。TVとサイトが提供するコンテンツを通じてコミュニティとのエンゲージメントを深め、大きな注目を集めました。
Jakob Nielsenは、「How Long Do Users Stay on Web Pages?」の記事にて「ページごとの平均滞在時間は1分弱となっており、実際に訪問しているページのテキストの4分の1しか読む時間がない」と述べています。もちろん、サイトの性質や使われ方にもよりますが、私達が制作しているページのうちの75%はほとんどのユーザーに読まれていないことになります。あなたもブログ記事のイントロを読み、途中をざっと流し読みして、最後のまとめだけを読んだ経験はありませんか?
Ruby on RailsやBasecampの開発元として知られる37signalsのRyan Singerは「ユーザーは、彼らが実際にサービスやツールを体験し、そのサービスを自分が求めていると感じる場合、必要とされる情報を提供してくれるだろう。彼らは自分が得たことに対しリターンをする考えを持っている」と述べています。実際、Basecampのトライアルのために必要とされる情報は自身の名前とログインのためのID/PWのみとなっており、ユーザーが気軽にサービスを体験できる配慮がされています。
サイトデザインの第1の目標であるべき原則として、Keep It Simple(KIS)というものがあります。ユーザーがサイトのデザインそのものを楽しむということはめったにありません。さらに、ほとんどの場合、デザインがあったとしても、ユーザーは自分が必要とする情報を探してサイトを訪れています。余計な要素、装飾などでページを複雑にする代わりに、簡潔になるよう努めましょう。